ピコ太郎「PPAP」の全米チャート入りってそんなに凄いのか?坂本九や松田聖子の快挙と共に検証

 
 
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【危機タイムズ】です。
 

ピコ太郎の「PPAP」が26年ぶりに全米チャート入り!

 


19日(水)に発表された、最新の全米ビルボード・ソング・チャート(HOT100チャート)で、初登場77位にデビューを果たした、ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」。2015年から、チャートのポイントにYouTubeなどで再生された視聴回数「ストリーミングポイント」が加算されることになったことで、「PPAP」の驚異的な動画視聴回数がチャートに反映し、ランクインを果たしたわけだ。次週は、10月7日から配信が開始したデジタルセールスや、更に数字を伸ばしているストリーミングポイントを受け、ランクアップが期待される。
 

ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)
 
ピコ太郎の全米チャート入りは、1990年5月にリリースされた、松田聖子の「ザ・ライト・コンビネイション(The Right Combination)」以来、26年ぶり。そのザ・ライト・コンビネイションは、同年最高位54位まで上昇し、UK(イギリス)で44位、オーストラリアで11位、そしてカナダでは2位にランクインする大ヒットとなった。
 
いったい、どんな曲なのか?
 

ペンパイナップルとアップルペン 2種セット(2個セット)/PPAP/ピコ太郎
 

「THE RIGHT COMBINATION」がヒットした理由

 
26年前、1990年に松田聖子が全米最高位54位をマークした曲が、これだ
 

 
80年代後期~90年代初期に流行った、いわゆる「冷涼メロウ」と呼ばれるバラードソング。同年には、ロクセットの「It Must Have Been Love」や、シネイド・オコナーの「Nothing Compares 2 U」など、同系の冷涼メロウが、全米No,1に輝いている。
 

 
松田聖子の「日本語英語」が若干気にはなるが、楽曲自体はなかなかの完成度。か細いヴォーカルより、もっとパワフルな声だと、さらに映える曲かもしれない。
 
しかし、当時アメリカではまったく無名だった松田聖子が、なぜ「最高位54位」まで到達できたのか?それは、このビデオにも登場する、デュエットを務めた男性ボーカリスト「ドニー・ウォルバーグ(Donnie Wahlberg)」の知名度の高さにある。
 

 
彼は、1986年にデビューし、1988年の2ndアルバム『Hangin Tough』が全米首位、全世界で1000万枚を超える大ヒットを記録した、5人組アイドル・グループ、「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」のメンバーの1人なのだ。1990年というと、その大ヒット中のアルバム熱がまだ冷めやらぬ、人気絶頂の最中で、この「ザ・ライト・コンビネイション」の大ヒットは、おそらく彼のネームバリューのお陰ではないかと思われる。
 

Seiko
 

大金を積んでもアメリカではヒットできない

 
「PPAP」の全米チャート入りが、松田聖子のヒット以来、「26年ぶり」ということに驚いた方も多いだろう。その間、ドリームズ・カム・トゥルーや久保田利伸、BoAや宇多田ヒカル、赤西仁などが全米デビューを果たしていて、「全米何位」と報道されてきたからだ。
 

 
しかし、それらの報道は「Billboard Dance Club Songs」という、いわゆる「ダンス・チャート」と呼ばれるもので、「クラブでどのくらいプレイ(流れた)されたか」で集計されるチャートでの順位。セールスやエアプレイ(ラジオ)を元に集計される、総合シングル・チャートである「HOT100」での快挙ではない。おそらく、報道する側が「全米何位」の意味を勘違いしてしまっているのだ。
 
この「ダンス・チャート」は、レーベルがゴリ推しして売り出せば、ある程度多くプレイしてもらえるので、チャートにランクインするのも、さほど難しくはないのだ。現に、BoAや赤西仁も、同チャートでTOP10入りを果たしている。
 

 
しかし、「HOT100チャート」では、曲にシビアなアメリカ人たちが、「何枚(何曲)買ったか」「ラジオにどれくらいリクエストされたか」などで集計されるため、まったく相手にされていない日本人の歌手では、チャートインすらできないのだ。
 

 
日本では「超大物歌手」として知られるレディー・ガガですら、明日発売される新作『ジョアン』からのシングル2曲が、どちらもTOP10入りすらできず、あッという間に圏外にダウンしている。これだけのネームバリューがあるアーティストですら、曲によってはランクインすることが難しい「HOT100チャート」。77位とはいえ、ピコ太郎のチャートインはそれだけ凄いということだ!
 

 
1963年に全米首位をマークした、坂本九の「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」は、快挙も快挙。おそらく、今後全米No,1を獲得する日本人はいないだろうと思われるが、この「PPAP」がどこまで伸びるか…(?)で、歴史が変わるかもしれない。
 

Joanne (Deluxe Edition)
 

「視聴回数」が加わったことでチャートの威厳がなくなった?

 


今回、ピコ太郎の「PPAP」がチャートインできたのは、ジャスティン・ビーバーが拡散してくれた、動画の「視聴回数」のおかげであるが、この「動画視聴回数」がチャートのポイントに反映するということに、異議を唱えるチャート・マニアも多い。
 

 
シングル・チャート(HOT100)のみならず、アルバム・チャートにも収録曲の「動画視聴回数」がポイントとして加わることになり、今年2月に発売された、ラッパー、カニエ・ウェストの新作『ザ・ライフ・オブ・パブロ』は、その「視聴回数」のみで、初の全米アルバム・チャート首位を獲得。5月から、12週のNo,1を死守した、ドレイクの新作『ヴューズ』も、ポイントはほぼ視聴回数のみで構成されている。
 

 
こういった、「動画を観る世代」に人気のアーティストにとっては有利なチャートになったが、いわゆる「往年のスター」たちにとっては、不利に働くようになってしまったのだ。
 
しかし、「購入して曲を聴く」というスタイルから、「動画で見る・聴く」スタイルに移行しているこの時代に、動画の視聴回数を無視して、チャートを作るわけにもいかないだろう。日本で最も威厳のあるチャートと言われてきた「オリコンチャート」は、もはや「音楽チャート」ではないということだ。
 

 
時代の流れを読み取って(?)こうして快挙を成し遂げたピコ太郎。日本では、「来年は消えてると思うけど」「記録だけ見るとすごいが曲は意味不明」「まぁこれが最初で最後だろう」と、早くもシビアな声が続々上がっているが、この快挙が最後だとしても、チャートインがこれだけ難しい「HOT100チャート」にランクインできただけ、「名誉」といえる!
 

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